スキャンダルがプラスになった女子アナ(1/5) | Deview-デビュー
2012年1月6日

 狙った通りに行かなかったのが、かえって良い結果をもたらすことが人生にはある。いや、人生まで持ち出さなくてもいいんだけど。

 今や深夜バラエティのスタンダードとなった『お願い!ランキング』(テレビ朝日)はそもそも、世の例に漏れぬテレビ不況の中、制作費を削減したうえでの“放送外収入”をテーマに企画された。

 テレ朝のお偉いさんの頭にあったのは、通販番組に色を付けたようなバラエティだったらしい。低予算かつ深夜ゆえ、視聴率にはある程度目をつぶり、視聴者やスポンサーが直接お金を落としてくれるものをと。

 しかし通販番組なら、より深い時間帯に各局で並んでいる。大きなスポンサーは付かないまま、MCはギャラのかからないCGキャラのおねがい戦士、「ちょい足しクッキング」などのコーナーの出演者はADでまかなうこととなった。

 そんな見るから低予算な作りで、目論んでいた放送外収入も微妙となれば失敗…と思いきや、これが単純に番組として面白かった。グルメや商品などを独自にランク付けする内容で、放送作家の鈴木おさむによれば「どうせスポンサーが付かないなら、気兼ねせず商品の善し悪しを出してしまおう」となったとか。それが視聴者にウケた。「ちょい足し」などが人気企画となり、深夜では異例の9%の視聴率を記録したことも。

 『お願い!ランキングGOLD』としてゴールデンタイムでも放送され、「ストライクミュージック」コーナーは『ストライクTV』として単独で別番組に。

 放送外収入狙いは外れたものの、度外視していたはずの視聴率が取れた。意味合いは違うが、同じテレ朝深夜から生まれ、目論みと違う部分で人気となったのが『マツコ&有吉の怒り新党』だ。
(明日へ続く)


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