東京ドームで見た奇跡(4/5) | Deview-デビュー
2011年12月28日

 東京ドームでのライブを前に、水樹奈々の2枚目のベストアルバム『THE MUSEUM U』がリリースされた。オリコン3位。翌週も8位。

 最初の話に戻るが、“コア”と言われてた頃の声優アーティストの作品は、TOP10に入っても翌週は50位より下とか急降下することが多かった。実際にファン層がコアだったから、1週目にファンが集中して買ってランキング上位に来ても、それ以上は買う人がいないことを裏付けていた。

 そこも今の水樹奈々が、かつての声優アーティストとは違うところ。ファン層の裾野が広い。前に書いたが、ファンクラブイベントを日本武道館でやるほどだし。今回はベスト盤だけに、入門編として買った新規ファンも少なくなかったのだろう。

 そのベスト盤のプロモーション取材でインタビューした際、企画ページ用の質問で、「このアルバムの曲で自分が野球選手だったらテーマ曲にしたいのは?」と聞いた。そしたら彼女、「うーん……」と考え込んでしまったのだ。

 はっきり言って、お遊びの質問。適当に思い付いた曲を答えておけばいいのにと思うが(とインタビュアーが言うのもナンだが)、彼女は「真剣に答えたいので」と数分間、悩んでいた。結局挙げたのは「POP MASTER」。「勢いが付いて打てそう」とのことで。

 こんな雑誌取材のどうでもいいような質問にも、真面目に向き合う水樹奈々。自分の曲の作詞とかは、どれだけ考え抜くのか。実際に、あるヒット曲を作詞したときの壮絶な苦労話を聞いたこともある。
(明日へ続く)


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