2011年12月20日
NTTドコモや「ちふれ」のCM、そして放送中のドラマ『蜜の味』のライライ役などで、業界的な注目度はNo.1の女優・木村文乃。デビューは16歳だった7年前。映画『アダン』のヒロインオーディションで、芸歴なしの一般応募から選ばれた。
この映画は異端の画家・田中一村の半生を描いたもので、彼女が演じたアダンは一村の空想上の女性。このとき取材して驚いたのは、映画では肌の黒い野性的な少女だったのに、本人は抜けるような白い肌だったこと。
「島の子の役だったので、ロケ地の奄美大島に早めに入って、ジリジリする海岸でひたすら横になってました」
そう話していた彼女の当時の印象は、聡明で清楚。映画では、服を脱いで一村に「描け!」と迫るシーンもあったりと、性根が座ったところも。顔立ちもきれいに整っていて、好感を持った。
反面アクに欠けるというか、地味な感じも。高校にいたら間違いなく学園のマドンナだが、女優としてはインパクトが足りない気がした。
『アダン』も、3000人を越える応募者からヒロインを射止めたとはいえ、映画自体は各地で順次、単館上映したレベルのもの。彼女の所属先になったのも、主演の榎木孝明の個人事務所に近いオフィスタカ。
状況的に“売れて欲しいけど売れないだろうな”というのが、率直に思ったところだった。実際『アダン』の後は、同じく小規模映画の『風のダドゥ』でヒロインを演じたり、「ボウリング親善大使」なるものを務めたりしつつ、大きな仕事はなく、いわゆる泣かず飛ばず状態。
そんな彼女にアクシデントが降り掛かった。
(明日へ続く)

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