2011年12月9日
年末からまた予選が始まるピン芸人No.1決定戦「R-1ぐらんぷり」。一度だけ会場で取材したことがある。2005年の第3回。優勝はほっしゃん。だった。確かに抜群に面白かったが、個人的に笑ったのは長州小力。
それまで彼のことを知らなかったが、長州力ぶりが抜群。「キレてないですよ」とかの声のこもった話し方から細かい仕草まで、ホントよく似ていて。それをデフォルメしたパラパラも絶妙。長州力があんな踊りをするわけないのに、長州らしい動きになってる。大笑いさせてもらいつつ、“こんなネタで大丈夫なのか?”とも思った。
自分はプロレスファンで長州力のこともよく知ってるから笑った。でも、プロレスはもうメジャーじゃない。長州を知らない人が見たらどうなのか? 案の定このR-1では決勝出場の8人中、最下位。それでも小力は一時ブレイクし、「キレてないですよ」も流行った。
ちなみにこの台詞も、長州が安生洋二戦の後の会見で、「今日は安生選手の攻撃にキレたのでは?」と振られて「キレちゃいないよ。俺をキレさせたら大したもんだ」と話したのから取っているが、みんなが元ネタを知って笑っていたはずはない。それでも面白いものですか?
そしたら翌年、今度はケンドーコバヤシが越中詩郎ネタでブレイクした。知名度は長州よりさらに低いプロレスラー。なのに『アメトーーク!』で自らプレゼンした「越中誌郎大好き芸人」が大ウケして。面白い空気というのは、芸人の力量があれば、元ネタを知らなくても伝わるのだろう。有名な芸人が話しているのでなくても。
だからこそ人気になってる番組が『アメトーーク!』ということか。
(明日へ続く)

戻る