『家政婦のミタ』松嶋菜々子の覚悟と原点(2/2) | Deview-デビュー
2011年12月1日

 松嶋菜々子が広く注目されたきっかけは、車の後部座席から「おまたー」と太もも露わに助手席に乗り出す日産アベ二ールのCMあたりだったか。

 1996年にはNHK朝ドラ『ひまわり』のヒロインに抜擢され、その後は『GTO』『救命病棟24時』『魔女の条件』『やまとなでしこ』『利家とまつ』…など代表作多数。間違いなくトップを張る女優だった。

 そんな黄金時代に入る前の彼女が、『とんねるずのみなさんのおかげです』でコントをやっていたことを、若い人は知ってるだろうか。

 『近未来警察072』というミニドラマのナナ隊員役。毎回、彼女がとんねるずの2人に蹴られまくり、なぶられるのが定番だった。そして、蹴られながら発する台詞がヒワイなもので爆笑した。

 さすがに朝ドラが決まって降りたが、美人女優として名を馳せた彼女が、かつてはこんな仕事もやってたという事実。余談だが隊員役はオーディションで決まり、彼女と共に最終候補に残っていたのが、遠峯ありさこと後の華原朋美だったとか。

 松嶋菜々子にとって、この『みなさんのおかげです』は抹消したい黒歴史かも。公式HPの経歴にも出てない。けど『ミタ』での彼女を観てると、ふっ切り加減という意味では原点とも思える。芸能界は結局、美人かどうかより、何でもやる姿勢の人のほうが強い。

 さて、『ミタ』の視聴率はどこまで上がるか。長女に「私を殺して」と言われれば「承知しました」と包丁を振りかざし、ターミネーターのように襲いかかってきたミタさんが、少しずつ悲しい過去と“人”の部分を見せ始めての終盤。奇抜さで引っ張ってきたが、女優としての本当の見せ場はこれからだ。
(終わり)

 
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