二宮和也の演技のどこが凄いのか(5/5) | Deview-デビュー
2011年11月9日

 2006年に公開されたクリント・イーストウッド監督の映画『硫黄島からの手紙』。『父親たちの星条旗』と合わせ、日米双方の視点から太平洋戦争を捉えた作品で、二宮和也のハリウッドデビュー作となった。

 当時ドイツでの公開に際し、現地メディアとの記者会見が行われた。「この映画で俳優として取り組んだことは?」と質問された二宮は、こう答えた。
「自分は俳優だと思ってません。日本では5人組で歌って踊ってます」

 この場面は『情熱大陸』の彼を取り上げた回で観たのだが、番組内で「30歳までは全然アイドルでしょう」とも語っていた。

 女性タレントのマネージャーなどが「うちの○○はアイドルでなくて女優なので」との言い方をすることがある。だが凡百な女優、俳優より遥かに演技力の高い二宮和也が、自らを「アイドル」と称する清々しさ。

 女性の場合、アイドルとしての賞味期限が長くないこともあり、アイドルはあくまでステップに、女優や歌手の肩書きを手に入れたがる傾向はある。『私たちが恋愛できない理由』に出演中のAKB48大島優子なども「いつかは女優に」的発言をしていたり。

 男性だと嵐はもちろん、木村拓哉と中居正広が来年40歳になるSMAPだって、グループとしてはまだアイドルのスタンス。そうした違いはあるにせよ、そもそもアイドルとは歌も演技も何でもやるエンターテイナー。俳優や歌手より下の存在ではない。そのすべてをハイレベルでこなす二宮和也は、アイドルとして理想像でもある。

 最後にトリビア。『フリーター〜』で二宮の役の幼少期は、『マルモのおきて』から妖怪人間になった鈴木福が演じてました。(終わり)

 
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