二宮和也の演技のどこが凄いのか(3/5) | Deview-デビュー
2011年11月7日

 個人的には、二宮和也は嵐が大人気になるより前に、役者として注目していた。きっかけは2003年公開の主演映画『青の炎』。演劇界の巨匠・蜷川幸雄が19年ぶりに監督を務めた作品でもあったが、自分が観た目当ては、相手役で共演していた当時トップアイドルの松浦亜弥。でも観たら、何より二宮に引き込まれた。

 家族のために完全犯罪を企てて殺人を犯し、最後はその家族と何気なくも幸せな食卓を囲んだ後に自滅する役。存在感はジェームズ・ディーンにダブった(蜷川は「日本のリバー・フェニックス」と称賛したらしいが)。

 それから、そのジェームズ・ディーンの映画で知られる『理由なき反抗』が彼の主演で舞台化されたときも観に行った。これも相手役の貫地谷しほりのマネージャーに招待してもらったからで、客席では周りが女の子ばかりで居心地悪かったが、芝居が始まればそんなことを忘れて見入っていた。

 そうした作品ではカッコ良く演じつつ、ドラマ『Stand Up!!』では気弱な童貞高校生役を。冒頭に書いたのと同じことで、彼と山下智久、成宮寛貴、小栗旬のイケメンたちが高校で最後に残った童貞4人との設定で“んなわけねーだろ!”って話なのだが、二宮の胃腸の弱いお人好しな役は、自然にヘタレ感を醸し出していた。当時20歳の若さで。

 カッコ良さとダサさの両刀使い。俳優としての得がたい天性か。だが以前、何かのインタビューで、演技論に関する彼の興味深い発言を読んだことがある。
(明日へ続く)

 
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