2011年11月4日
東京ドラマアウォード2011で2冠(グランプリ・主演男優賞)を獲得した『フリーター、家を買う。』。ストーリーのその後を描いたスペシャルが10月始めに放送された。
最後のほうで、二宮和也の演じる誠司が香里奈演じる千葉を家族に紹介するシーンが。「おじちゃんの彼女?」と聞く甥っ子に「そうだよ」と答える香里奈。姉役の井川遥が「あり得ない!」と絶句。「何だよ」とムクれる二宮…。
このシーンが自然に観られた。確かに誠司に千葉ちゃんは不釣り合いだよな…と。でも、二宮と長澤まさみや佐々木希の交際報道が出たときは、不釣り合いとは思わなかった。むしろ、美形同士お似合いで…という。何てったってイケてる嵐だから。なのに、役ではイケてない男になり切る二宮。
『フリーター〜』の最初のほうは、もっとそうだった。三流大学を卒業して会社務めも続かず、バイトを転々としながらブーたれてる若者のしょーもなさ加減がリアル。こういうヤツいる…とすんなり感じられた。それをトップアイドル嵐のメンバーで、一方では『GANTZ』などでカッコイイ役もやる二宮がやってのけるのが凄い。
そしてバイト先の土木会社の飲み会で、酔いが回ってうつ病の母親のことを語り出し、「もし母ちゃんが死んだら俺は…ホッとすると思う」とドロドロになって呟いたシーンは、観ていて胸が痛くなった。
そうした彼の役者としての凄みは、このドラマに始まったことではないが。
(明日へ続く)

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