2011年9月16日
芸能界では“時間厳守”は徹底される。
1人のタレントが遅刻することで、何人ものスタッフが時間をかけて準備してきたことが、無駄になるケースもあるので。
ロケ場所を使える時間が限られてたり、共演者に次の仕事が入ってたり。
その一方、雑誌取材は軽く見られているのか、30分遅れてきて平気な顔をされることも少なくない。
マネージャーが「前が押したんで」とか。まあ、テレビのほうが大事なのは分かるが。
吉野紗香をチャイドル時代に取材して、今もよく覚えてる出来事がある。
事務所の応接スペースで待ってたら、取材予定時間が近づいても彼女が現われない。
マネージャーは「向かってると思います」と。すると窓から、彼女がすごい勢いで走ってくるのが見えた。
「遅れちゃいけないと思って…」と息を切らしながら、すまなそうに話していた彼女。
だが、一目散に走ってくる姿を窓から見て、むしろ微笑ましい気持ちになった。
たかが雑誌取材に、1分でも遅れまいと必死で走ってきた姿が。
芸能界入りが早かった分、本人がテレビなどで語っていた通り、大人な遊びも早くから覚え、ヤンチャしていた時期もあったのは事実だろう。
でも、根本にはあの真面目さがあると思いたいところ。
10代での成功、そして失速。
チャイドルブーム後は引退したタレントも多い中、吉野紗香は何とか活動を続けてきた。
来年は30歳。
名実ともに大人になり、もうひと花咲かすことはできるだろうか。
(終わり)

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