2011年9月12日
あるアイドルグループの取材で“10年後の夢”という質問をした。
ドームツアーとか大女優とか、そんな答えが返ってくるかと思いきや、全然違っていて。
「沖縄でサトウキビを育てて暮らしたい」 「お母さんとパン屋さんをやりたい」 「地元でのんびり毎日を過ごしたい」
芸能界で華々しくやるより…というモード。
原稿ではその辺は事務所がほとんどカットしてきた。
後ろ向きな印象を持たれたくない、ということだろう。
それにしても、若いメンバーたちが10年後をもはや“余生”のように語っていたのは印象的だった。
そういえば、SPEEDが2000年に一度解散した際、島袋寛子が今後について「沖縄でお店をやりたい」と語っていたのを思い出す。
一世を風靡したとはいえ、当時まだ15歳。それが「お店を」って。
ただ、分からなくはない心境でもある。芸能界の最前線で過ごす10代は、一般の中高生とはまるで違う。
大人社会に組み込まれ、毎日ハードなスケジュールをこなし、たくさんのものを求められ、人に見られる自分を作る。
その濃密な時間は、1年が普通の人の何年分にも相当するだろう。
スマイレージの小川紗季も「普通の中学生に戻りたい」と引退し、「もったいない」「早すぎる」と言われるが、彼女の感覚ではおそらく、もう十分過ぎるほどやった…となったのでは。
その分タレントの吸収力はすごい。
デビューした時は普通の中高生と同じでも、あっという間にいろんなことを身につけ成長する。
そのスピードに追い付けないと大成できないということでもあるが、10代タレントの中で何が起きるかというと…。
(明日へ続く)

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