シリーズ化するべきドラマ(4/5) | Deview-デビュー
2011年9月8日

 8話までの平均視聴率12.9%ながら、全体的に低調な現クールのドラマの中では、『絶対零度』に続き健闘している『ブルドクター』。江角マキコ演じる大学法医学教室の医師と、石原さとみ演じる刑事が話の軸。

 公式HPにも「死因究明を通して描かれるヒューマニズムと…」と出ている。『絶対零度』前作が未解決事件の謎ときの中で人間ドラマを浮かび上がらせたのと、同じ狙いに思える。ただ、それがうまく行ってるかというと、イマイチな感じ。たとえば1話。

 ある男性が死んで、不仲だった妻が疑われる。しかし、実は男性は、もう一度仲のいい家族に戻ろうとしていたこと分かる。そのために家の写真を撮ろうとして、足を滑らせて頭を打ったのが死因に…とか、何か浅い。

 あと、浅さの一因だとも思うが、主人公たちの周りでばかり事件が起き過ぎ。石原の元クラスメイトが死んだり、江角の息子が誘拐されたり、夫が医療過誤の疑いをかけられたり、彼らが感染の疑いで隔離されたり。

 それだと結局、彼女たちの物語として終わるだけ。そもそもドラマとはいえ、毎週身内に事件が起きて、身内で究明するのはリアリティに欠ける。

 ついでに言えば、『絶対零度』でも気になることが。捜査のためとはいえ、あんな簡単に盗聴機や監視カメラを取り付けて、いいのだろうか。疑わしい人物だけでなく、その交際相手の家にまで。割り切って観ればいいのだが、法律的にはこうした捜査が許される犯罪は限定されていて、ちょっと安易だろう。

 最後に、他のドラマで注目すべきは…。
(明日へ続く)

 
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