2011年8月19日
低視聴率だが評価は高いテレビ東京・月10枠で放送中なのが『IS』。
タイトルは“インターセクシャル”の略で、先天的に性器、染色体などが男性か女性か判別しにくい状態を指す。性同一性障害が身体的性別ははっきりしているのと違い、身体そのものの問題。もちろん実際そういう人が存在する。
主演のIS2人は福田沙紀、剛力彩芽のオスカーコンビ。
福田はいろんな作品で観てきたが、正直これほどの好演は初めてでは。精神は男だが、パティシエが夢で女子高の調理科に通う。そして身体は女性化が強まり…。
流行りの男装モノとは違うが、彼女が一番男子に見える。“俺”との物言いが自然で、女子校で思わず出ると、観てるこちらが“マズイ!”となるほど。感情表現も前向きさとあきらめが絶妙に折り交じって。際どい展開になりそうな空気もありつつ、家族と幼馴染みの男友達が暖かくて安らぐ。とにかく、これも引き込まれるドラマだ。
視聴率は例によって2%台だったりと冴えない。
やはり題材がテレビ向きでないのか。
内容を評価されても、成功とはとても言えまい。と書いてたら、この社会派ドラマ枠の打ち切り決定のニュースが。
もったないとドラマ好きとしては思う。
ぶっちゃけテレ東は他局より視聴率の敷居も低い。他局ができない路線を貫くべき。
テレ東は過去にも、スターを出すより『ASAYAN』でモーニング娘。や鈴木あみらスターを自ら生んだり、『大食い王決定戦』を逆にTBSがパクったり。
女子レスリングや卓球も他局が目を付けてない頃から力を入れてた。
Jリーグが生まれる遥か前から『三菱ダイヤモンドサッカー』でワールドカップなどを放送してたのは、オールドファンの語り草。
好むと好まざると他局が手を付けないものをやらざるを得ない面もあるにせよ、その独自性こそテレ東の存在価値だ。
『IS』もスタッフが丁寧に取り組んでるのは分かるから。
(終わり)

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