テレビ東京の存在価値(4/5) | Deview-デビュー
2011年8月18日

 改めて振り返ると、『鈴木先生』はテレビ東京系の月曜10時枠で放送された学園ドラマ。主人公の鈴木先生(長谷川博巳)は今までのドラマで描かれた教師像とは、まるで違うタイプだ。

熱いところはなく、クラスに起こる問題を冷静に理論立てて解決していく。その一方、女子生徒との良からぬ妄想に耽ったり。“人が壊れる境目”が裏テーマのようでもあった。

 で、持ち上がる問題というのが、片想いから暴走して自爆する学級委員、壊れかけた他の先生の嫌がらせ…。

 その生々しさに引き込まれたが、ある中学生タレントが取材で、好きなドラマにこの『鈴木先生』を挙げつつ、「でも、親とは観られません」と苦笑していた。

そこが視聴率で苦戦した一因かも。お茶の間向きでないというか。

 でも、これはある意味、狙っていたはず。テレビ東京の月曜10時は昨年10月からドラマ枠になったが、プライムタイムでの連ドラは10年ぶり。

後発ゆえ他局に埋没しないよう“社会派エンターテイメント”を掲げたと、プロデューサーが話している。

 第1弾が死刑囚と刑務官の友情を描いた『モリのアサガオ』、第2弾が小児外科医が主人公の『最上の命医』。

平均視聴率はそれぞれ3.6%、4.0%と低迷し、第3弾の『鈴木先生』でさらに下げてしまったわけだが、反比例して作品の評価は上げているから、試みに意味がなくはない。スタッフは胃が痛いにせよ。

 そして、第4弾で現在放送中なのが『IS〜男でも女でもない性〜』。これがまたサブタイトル通り、難しい題材を取り上げていて…。
(明日へ続く)

 
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