2011年8月10日
『JIN−仁−』と『マルモのおきて』の日曜9時戦争が盛り上がった春ドラマに比べ、夏ドラマは現状、話題になってる作品がない。
AKB48の前田敦子主演で期待された『花ざかりの君たちへ』が4話で視聴率5%台まで落ち込んだりと、違う意味で話題だが…。
重苦しさが際立つのが『それでも、生きてゆく』。
中学生の頃に7歳の妹を自分の友達に殺された洋貴(瑛太)と、その憎むべき友達の妹である双葉(満島ひかり)が出会って…という話。
被害者家族と加害者家族が共に15年苦しみ続けている状況は確かに重いが、連ドラ初ヒロインの満島と瑛太が距離を取りつつ、お互いの苦しみに少しずつ共鳴していく序盤は、意外とすっきり観られるものだった。
演技派を揃えたのも大きい。
15年、事件のことは常に頭の隅から離れなかっただろうし、かと言って事件のことだけ考えて日常は送れない。
難しい役どころだが、年月の中で沈殿したような苦しみを、満島が醸し出してるのはさすが。
映画で高く評価されてきたのも納得だ。
さらに、大竹しのぶや時任三郎を家族役に配して隙がない。演技がうまい人たちのドラマは見応えがある…という当然のことを改めて感じる。
そして回想シーンで双葉の少女時代を演じている新人が、13歳の山本舞香だ。
今回がドラマデビューだが、女優の登龍門として知られる『三井のリハウス』CMに春から出演している。
初代の宮沢りえに始まり、一色紗英、池脇千鶴、蒼井優らが務めてきたリハウスガールの14代目。
そんな肩書きもさることながら、彼女はここ数年、いなかったタイプの新人に思える。
(明日へ続く)
作者プロフィール戻る