少し早い“AKB48後”の不安(5/5) | Deview-デビュー
2011年8月2日

 AKB48のブームはすぐには終わらないだろう。
それは同時に、彼女たちのハードな日々がまだ続くことでもある。
「息抜きをする時間もない」というメンバーたち。

 先日2ndシングルを発売した板野友美を取材した際は、「レベルアップしたい」「じっくりレッスンしたい」と何度も口にしていた。
日々の仕事に追われ、それができない裏返し。

 もう時効なので書くが、モーニング娘。の全盛期、後藤真希がソロデビューした頃、ライブの中で彼女のソロコーナーが、明らかに口パクに見えたことがある。
ソロ曲も練習する時間もないほど忙しいのだろうが、これでは本末転倒では? と思った。

 野球では「甲子園の優勝投手はプロで大成しない」とのジンクスがある。
ジンクスというより必然だろう。
猛暑の中、地区予選から何試合も連投を重ねるうちに肘や肩を壊し、プロに入る頃には体はボロボロ…といった話を聞く。
桑田真澄や松坂大輔のように、高校レベルなら全力を出さなくても全国優勝できるぐらい突出した才能がなければ、栄光と引き換えに燃え尽きてしまう。

 AKBの主力は今、猛烈に忙しい。あるメンバーは1日に1回鼻血が出ると聞く。
今のブーム後も彼女たちが活躍を続けるには、もっと充電の時間を取ってあげて欲しいと思う。

 もっとも、メンバーたち自身は高校球児と同じく、そんな先のことなど、きっと考えてない。
今ここで燃え尽きても構わない。
それぐらいの覚悟でやっているのだろうが…。
(終わり)

 
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