グループのメンバー増員の功罪(5/5) | Deview-デビュー
2011年7月26日

 つんく♂がスマイレージ新メンバー募集に踏み切ったのは「4人に足りない部分を補完する」「4人に競争意識を持たせる」「人数が増えたほうがやれることも増える」…という理由らしい。
モー娘。10期メンバーに関しては、9期のオーディションで不合格者にも逸材が多く、さらに増やしたくなったのだとか。

 それもあるにせよ、モーニング娘。が後藤真希というたった1人の逸材の加入で、大きなパラダイムシフトを起こした成功体験に、いまだ捉われてると感じなくもない。
だが仮に今、ゴマキ級の逸材が見つかったとしても、あの頃のようには行かないと思う。

 当時のモーニング娘。はオーディション・バラエティと謳った『ASAYAN』が随時フォローしていた。
モー娘。はグループであると同時に、番組のコンテンツだったのだ。

 結成もこの番組の企画発信。
メンバー募集からオーディション、合格者決定に至るまでが、番組の人気コーナーに。
『進め!電波少年』のヒッチハイクや『いきなり!黄金伝説。』の節約生活と、テレビ的な意味合いは同じだ。

 ゴマキだけでなく辻希美や加護亜依らもイチ応募者としてテレビに登場し、審査や合宿でアレコレやりながら新メンバーになる様を、毎週番組で追い掛けた。
ゆえにファンも感情移入ができた。

 だが今、そんな番組はない。
スマイレージのファンは「あの4人だから良い」との声が圧倒的。
足し算をされたら、今のスマイレージとは別物になる。
まして『ASAYAN』時代のように推移を見守れぬまま、結果だけ押しつけられても。

 超強力新人がすべてを変える可能性もなくはないが、現状は目先の話題を求めた迷走に見える。
反対にCD複数買い商法などに批判はあっても、ももいろクローバーZが先を走り、ぱすぽ☆がオリコン1位となったのは、軸がブレてないからだと思う。
(終わり)

 
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