イヤなヤツ役から花開いた2枚目俳優(5/5) | Deview-デビュー
2011年7月12日

 芸能界では美男美女だから成功するとは限らない。
むしろ美男美女が揃ってる世界だけに、そこで勝負すると競争率が異様に高くなる。

 『メンズモデル』の2枚目モデルから俳優デビューした谷原章介も、ほぼ同時期にモデルから転向した竹野内豊、沢村一樹、藤木直人らと競合していた。
そして主役級を演じる彼らを横目に、脇役が続き知名度は伸び悩んだ。芝居の仕事自体がなく、辛かった時期もあったそうだ。

 だが、28歳のときに現在所属するジャパン・ミュージックエンターテインメントに移籍。
出演チャンスを増やそうと、それまで多かった2枚目役から、やりたがらない俳優も多い“2枚目だけどイヤなヤツ”役へシフトチェンジ。
『プライド』で演じた、木村拓哉・竹内結子カップルの恋路を邪魔してDVをふるう役とか。

 そんな役があると向こうから声が掛かるようにもなり、いつも何かしらドラマか映画に出てる現在のポジションを築くに至っている。

 映画『深呼吸の必要』や『亡国のイージス』で彼を起用した名プロデューサー小滝祥平氏は「クセを持たずに役を受け入れるから、どんな役もやれて演技に説得力がある」と評した。
『ハンサムスーツ』では、声も含めた自らのイケメンぶりを、笑えるところに転化する懐の深さを見せた。

 そうした演技力は、不遇時代を含む役者経験から深みが培われたのだろう。
彼がイケメン俳優だけで押そうとしてたら、今があったかどうか。

イヤなヤツ役然り、司会も然り。人がやらないことを見つけて挑む姿勢は大事だ。
(終わり)

 
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