『マイ・バック・ページ』とあるアイドルの時代(4/5) | Deview-デビュー
2011年7月4日

 全共闘運動を引っ張り、逃走の後に逮捕された東大全共闘議長・山本義隆は、物理学者として将来を嘱望された大秀才だったという。

運動終息後は人知れず予備校講師となり、30年以上過ぎて上梓した物理学書で賞を獲ったりも。

だが取材の類いは一切受けず、全共闘運動に関して沈黙を守り続けている。

 多くの雑誌で執筆する某ベテランアイドルライターは一流大学の出身。

在学中におニャン子クラブにハマり、渡辺満里奈の追っ掛けとなった。

わざわざ彼女の自宅近くに引っ越し、写真を隠し撮ったりしながら、就職せず。

次にハマったあるB級アイドルのミニコミを自腹で出し続けた。ライターとして軌道に乗るまでは、パンの耳で食いつなぐ生活だったと聞く。

 と、この2人を並べて意味があるのか分からないが、全共闘の時代の熱と、おニャン子クラブに狂った時代の熱は、その熱さに於いて通じるものがあった気がする

。おニャン子世代は国を憂いてはいなかったけど、同じぐらいおニャン子に真剣だったんです。

 自分のことを言えば、『夕やけニャンニャン』はビデオで録画し、学校から帰ると2回は観た。

月曜から金曜まで毎日! 特に大好きだった河合その子が出る番組は他も一つ残らず録画。

自分は推してなかったが、高井麻巳子ファンの友人と彼女の実家の自転車屋を訪ね、福井まで行ったこともある。

今思えば何をやってたんだ!? って話だ。

 当時は握手会なんてなかったけど、アイドルというより同級生に思えた彼女たちと、ブラウン管越しに毎日会えるだけで幸せだった。

だが、そんな時間は終わりを迎える。
(明日へ続く)


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