2011年7月1日
70年代初頭の実在の事件に基づく映画『マイ・バック・ページ』。
松山ケンイチ演じる学生活動家・梅山は、国家への武力闘争のために自衛隊駐屯地から武器を奪おうと図る。
そんな計画が成功するわけはなく、潜入した2人は何も奪えぬまま、自衛官1人を殺害してアジビラ(政治的煽動を目的とする文言を記載した書面)を撒いただけで戻った。
それでも「この事件を起こしたことが記事になれば本物になれる」と、妻夫木聡演じるジャーナリストに訴える梅山。
その辺のやり取りまでは原作にないが、ペテン師のような彼なりに世界を変えたい情熱はあり、少数ながら彼に加担して実行犯となる“同志”もいた。
時代の熱気に取り憑かれていたとしか思えない。
映画では、石橋杏奈が梅山の恋人を演じている。
もともと学生運動に関心なく、友達に誘わて梅山の演説に耳を傾けるうちに恋仲となり、事件にも関わる。そんなふうに時代の渦に巻き込まれて活動していた全共闘世代は、実際に少なからずいたことだろう。
自分たち後の世代には結局のところ、あの時代を生きた人たちの衝動は分からない。
映画を観て、改めてそう実感した。
一方でふと、自分たちにも同じような熱狂の時代があったのでは…とも思った。
それは、おニャン子クラブの時代。
なんて並べたら、全共闘世代に鉄パイプでブン殴られそうだが。
(明日へ続く)

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