2011年6月27日
AKB48の選抜総選挙で1位に返り咲いた前田敦子。どちらかというとクールなイメージの彼女だが、1位と発表されて立ったステージでは涙を流すだけでなく、しゃくり上げるように肩を揺らしながら搾り出した声で「この1年いろんなことを考えて生活して、たくさんの方に支えていただいたことをとっても感謝しました」などと語った。
そして「一つだけお願いがあります」と切り出し、「私のことを嫌いな人もいると思います。私を嫌いでもAKBを嫌いにならないでください!」と叫んだ。
タレントにはファンが付く分、誹謗中傷も受ける。
誰だって自分の悪口を言われたらイヤだが、受け流せないとタレントはやっていけない。
それ以上に愛してくれるファンがいるなら大丈夫なのだろう…と何となく思っていた。
だが、国民的アイドルグループのエースともなれば、その分“アンチ前田”もいる。
ファンの数の1割だとしても、ファンが100万ならアンチも10万。
それは時として、19歳の少女には受け止め難いものだったのかもしれない。こみ上げる想いを吐露するような涙のスピーチの中で出た、トップアイドルの本音に感じた。
それでも武道館に集まったファンは暖かい。「私を嫌いな人も…」との言葉に「そんなことない!」「頑張れ!」と声援が飛びかった。
最後に前田と大島が「これからも一緒に前を向いて行こう」と抱き合うのを、メンバーとファンの拍手が包む光景も美しかった。
AKB48のブームがいつまで続くかは分からない。
ただ、このメンバーとファンの“共同作業”が崩れなければ、まだ続く気はした。
(終わり)

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