2011年6月10日
交際中のきれいな彼女がいるにも関わらず、担任する女子生徒・小川蘇美への妄想に揺れる鈴木先生。その気持ちは分かる。個人的な恥をさらすと、自分も大学時代、バイトで塾教師をやっていて、クラスの1人のかわいい女子生徒が、気になって仕方なかった。
もちろん何もしませんでしたよ。ちゃんと先生として振る舞ってました。一度、他の生徒に「先生、○○のことが好き?」と言われドキッとしたが。
いや、自爆させてもらえば、魅力的な女の子がいたら中学生だろうと教え子だろうと、男は気になりますって。そこでどう理性と折り合いつけるかの話。
小川を神格化して異性として見てないと自分に言い聞かせる鈴木先生。似た状況の人はあちこちにいるだろう。性犯罪に走る人がいるのは事実だが、愛情をうまく転嫁させていい先生をやってる人もいるはず。壊れるか壊れないかのボーダー。そんな赤裸々なテーマをむき出しにしたのが『鈴木先生』だ。
鈴木先生役は長谷川博巳。
NHK『セカンドバージン』の鈴木京香の不倫相手役で注目されたとはいえ、連ドラ主役は考え辛い。
生徒も小川役の土屋太鳳を始め、知名度のある子は少ない。
ジャニーズ勢もいない。
美少女率は高いが、男子は普通っぽいが演技のうまい子が多く、教室にリアル感を醸し出す。特に、自爆した学級委員を演じた藤原薫は圧巻だった。
あと、鈴木先生のモノローグで「逝った」といった文字が大写しになるマンガ的手法や、常に暗めの画面など斬新な部分も。
視聴率2%台で成功とはとても言えないが、コア人気からDVDになって伝説化するかも。
このドラマも、『マルモのおきて』と状況は違えど、スタッフの開き直りを感じる。
言っちゃ何だが、どうせテレ東。
最初から視聴率は期待薄な代わり、業界的圧力も少ない。ならば思い切りこだわって…と。
人気者を出しても話題を作っても盛り上がらないドラマが多い中、ヒットは意外と期待されてないところから生まれてくるのかも。(終わり)

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