期待されてなかったのに人気を呼ぶドラマ(5/6) | Deview-デビュー
2011年6月9日

 今クールの連ドラで、個人的に最も気になるのは、テレ東の『鈴木先生』だ。“個人的に”と書いたが、評価する声は業界内に多い。視聴率は2%台が続き、目を覆いたくなるにも関わらず。

 中学を舞台にした学園モノ。毎回起こる問題を、鈴木先生がクールに収めていく。

というだけなら熱くない『金八先生』という感じだが、鈴木先生自身がクールな顔の裏で、クラスの小川蘇美という女子生徒への妄想に苛まされていて。 布団に連れ込んだり、逃避行をしたり…。

 冷静な外面とモノローグでの語りのギャップが、おかしくもあるが怖くもある。聖少女を思わせる小川に想いを寄せる人間は他にも多くいて、うち2人が壊れた。

 体育教師の山崎は、生徒による先生の人気投票でワースト1になったことから、教室でキレて爆発。風俗店に女子生徒用のソックスを持ち込み、先生プレイをしていたこともバレて、学校を去って行った。

 学級委員の竹地は小川の気を引こうと聞こえよがしにしていた話にチャチャを入れられたことから、他の女子生徒にケガをさせ、さらに自己弁護を続けて逆にクラス中から責められた挙げ句、いろいろブチまけて自爆。学校に来なくなる。

 壊れる人間と壊れない人間は紙一重…鈴木先生の台詞にもあったが、そこが裏テーマと感じられる。

エンディング曲で馬場俊英が歌う尾崎豊のカバー「僕が僕であるために」も、そんな意味に聞こえてくる。(明日へ続く)


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