朝ドラヒロインを生んだ運の良さ(4/4) | Deview-デビュー
2011年5月26日

 TBSでドラマ化が進められていた『のだめカンタービレ』が、クランクイン直前で制作中止に。代わって急遽撮られたのが『花より男子』だった。

スタンダードな少女マンガが原作で、時間のない中、手堅いセンを狙ったのだろう。

 そのヒロイン・牧野つくしを演じたのが井上真央。

こちらも手堅い演技力を買われたようだが、連ドラのヒロインは半年前には決まっているのが普通。

当時の彼女は芸能活動復帰から間もなく、スケジュールが空いていた。

ぶっちゃけ、あまり注目されてなかった。

 ところが、同クールで沢尻エリカの『1リットルの涙』や、堀北真希の『野ブタ。をプロデュース』も放送された中、フタを開けたら“穴埋め”だった『花男』が一番のヒットに。

視聴率は平均19.8%、最終回22.4%。続編や映画版も作られている。

 これで真央も一気にブレイク。

以後コンスタントにドラマや映画のメインキャストを続けた。

もし『のだめ』がポシャらず、『花男』が作られてなかったら、今、朝ドラにヒロインとして出ていたかどうか。

 芸能界に限らないが、成功するかどうかは実力だけでは決まらない。

タイミングや運に左右される要素も大きいのが現実だ。

 一方、『のだめ』に備えて早くからピアノの練習を重ねてきた上野樹里も、急なキャンセルで一時は相当ショックだったようだが、フジテレビで仕切り直しされ、こちらも大ヒット。

映画も当たった。

そして今、大河ドラマ『江』のヒロインを演じている。

 2005年10月に交錯した2人の運命は、結果として共にプラスに働き、6年後の今、NHKの2大看板ドラマでつながった。
(終わり)


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