2011年5月26日
TBSでドラマ化が進められていた『のだめカンタービレ』が、クランクイン直前で制作中止に。代わって急遽撮られたのが『花より男子』だった。
スタンダードな少女マンガが原作で、時間のない中、手堅いセンを狙ったのだろう。
そのヒロイン・牧野つくしを演じたのが井上真央。
こちらも手堅い演技力を買われたようだが、連ドラのヒロインは半年前には決まっているのが普通。
当時の彼女は芸能活動復帰から間もなく、スケジュールが空いていた。
ぶっちゃけ、あまり注目されてなかった。
ところが、同クールで沢尻エリカの『1リットルの涙』や、堀北真希の『野ブタ。をプロデュース』も放送された中、フタを開けたら“穴埋め”だった『花男』が一番のヒットに。
視聴率は平均19.8%、最終回22.4%。続編や映画版も作られている。
これで真央も一気にブレイク。
以後コンスタントにドラマや映画のメインキャストを続けた。
もし『のだめ』がポシャらず、『花男』が作られてなかったら、今、朝ドラにヒロインとして出ていたかどうか。
芸能界に限らないが、成功するかどうかは実力だけでは決まらない。
タイミングや運に左右される要素も大きいのが現実だ。
一方、『のだめ』に備えて早くからピアノの練習を重ねてきた上野樹里も、急なキャンセルで一時は相当ショックだったようだが、フジテレビで仕切り直しされ、こちらも大ヒット。
映画も当たった。
そして今、大河ドラマ『江』のヒロインを演じている。
2005年10月に交錯した2人の運命は、結果として共にプラスに働き、6年後の今、NHKの2大看板ドラマでつながった。
(終わり)

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