自粛ムードの中で行われたライブ(2/5) | Deview-デビュー
2011年4月27日

 3月は楽しみにしていた舞台があった。ROCKミュージカル「ピンクスパイダー」。hideの13回忌にちなみ、彼の楽曲だけを使って上演する作品だが、個人的なお目当てはヒロイン(Wキャスト)の南沢奈央。

 初のミュージカル。しかも歌は「合唱しか経験ない」という彼女がロックに挑戦。さらに優等生的な役が多かったのが、今回のポスターはキツいメイクで、取材で「親にも私だと気づかれませんでした」と話していて。すべてに“どうなる?”とワクワクした。

 自分が観に行く予定だったのは13日。そしたら11日に大地震。当日と翌日の3公演は中止となった。でも、13日は予定通り開催とHPで発表。間引き運転で極端に本数が少ない電車に乗り、東京グローブ座に駆けつけた。

 都内ながら凄い揺れと混乱を経験し、テレビで東北地方の惨状を見るにつけ、気が滅入っていた数日(被災された方に比べたら何でもないことだが)。このミュージカルを観てる間は楽しい気持ちになれた。

 新境地を開いた奈央の熱演&熱唱。カーテンコールで武田真司が「こんな状況ですけど、少しでも元気を出してもらえたら」と話していたが、エンターテイメントにはそういう力がある。ちなみに翌14・15日の公演は計画停電絡みでまた中止。自分はまあ運が良かった。

 とはいえ、会場を出てラジオを聴きながら帰ると、また重苦しい現実に戻る。亡くなった方、家を失った方がたくさんいる中で“楽しかった”なんて思ってて良いのか? 小さな罪悪感に苛まされて。でも、「それは違う」と、あえて開催したライブで訴えかけたアーティストもいた。
(明日へ続く)


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