2011年4月18日
モンスター級のアイドルグループとなったAKB48だが、彼女たちがどこでブレイクしたかは分かりにくい。モーニング娘。の「LOVEマシーン」のような分岐点は見えない。
ひと言でいえば地道に来て…という話だが、劇場での公演も、言ってみれば連日の学園祭。加えて、呆れるほど多く思えた大人数というのが利いた。
1人に付くファンは最初は1000人だったかもしれないが、メンバー全員で寄せ集めれば1万人を越える。1人ずつのファンが2倍になれば、グループ全体のファンは万単位で増える。
そんな単純な積み重ねの成果。
劇場でなかなか会えない状況になっても、選抜総選挙などミスコンテスト的手法で、ファンの参加意識を高めた。
ただ、この発想自体は新しいものではない。これは当事者として言わせてもらう。
AKBのプロデューサー秋元康氏が80年代に手掛けたおニャン子クラブは、関連ユニット含め年間52週中36週でオリコン1位という、とんでもない記録を残しているが、当時ファンだった自分たちのお祭り騒ぎの結果だ。
『夕やけニャンニャン』で毎週“今度はコレを1位にするぞ!”と煽られたのに僕らは乗り、レコードを買っていた。
はっきり言えば聴くためというより、おニャン子ブームを作る祭りに参加するために。
そこに握手会など付加価値を充実させたのがAKB48の手法。
至近距離で会える今のファンは幸せだが、同時にアイドル側も、ファンと直に接して磨かれる面がある。
ディアステージからは昨年、黒崎真音がアニソン歌手としてメジャーデビュー。
オリコンTOP30に入っている。
福嶋社長によれば、彼女は接客も抜群にうまかったという。
「目の前の1人のお客さんを喜ばせられなければ、1000人、2000人を喜ばすことはできない。それはお店で見ていて本当に思います」。
アイドル学園祭ビジネスの基本はここにある。
(終わり)

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