2011年4月15日
各方面から注目を集めるディアステージには今、メジャーレーベルを含めビジネスの話がいろいろ来てるらしい。だが福嶋社長は、宣伝などに過度に資金を投じるやり方には疑問を呈する。
一つはコスト感覚。メジャーだと2000万円投資して3000万円売り上げる――といった目算を立てるが、ディアステは“中小企業”としてのスタンスを崩さない。
自社レーベルからリリースしたユニット、ピヨラビのCDは3000枚を売り、オリコンインディーズチャート1位になったが、コストを抑えてる分、それで十分に元は取れた。
同人で1000枚を手売りするなら、枚数は少なくても、さらに利益を生むそうだ。
逆にメジャーだと、3000万売り上げなければ回らない面がある。ひと昔前ならともかく、今この数字は厳しい。
結果、投資した2000万すら回収できないことが多い。
小回りの利く “村”のやり方のほうが強くなっている。
そして、メジャー流の売り出しがコケるもう一つの要因は、学園祭感覚で一緒に盛り上がってきたファンを置き去りにしてしまうこと。バンドでもメジャーデビューした途端、インディーズ時代より売り上げが落ちるケースは少なくない。
福嶋社長は「インターネットに慣れてる今のお客さんは、自分たちが参加できる余地が少ないとつまらなく感じてしまう」と指摘する。
衣裳を手作りして、お客さんに「何色がいいですか?」と聞いてた子が、いきなり大人にゴチャゴチャ作られたらシラけるもの。
こうした学園祭ビジネスの話はインディーズ的な世界のトピックに見えて、実はメジャーでも同じ流れがある。
(明日へ続く)

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