アイドルを売り出す“学園祭ビジネス”(3/5) | Deview-デビュー
2011年4月14日

 アイドルがステージで歌って店員としても働く秋葉原のライブ&バー「ディアステージ」。福嶋麻衣子社長は“学園祭ビジネス”を掲げている。

 もともと飲食業のプロがいない中でオープンして、お客さんのほうが「こうしたらいい」とアドバイスをくれたり、料理のサンプルまで作ってきたり。それで店が良くなれば、お客さんも喜び、自ら皿洗いまで手伝ってくれる。

それを見て、福嶋社長は「これはエンターテイメントだな」と思ったそうだ。

 お客さんをもてなすだけでなく、お客さんも含めて“自分たちの店”を作っていく。まさに学園祭のように。

ステージでも毎週小さなイベントを組み、そこに向かってアイドルもファンも盛り上がる。ナースコスプレのイベントなら、店側が何も言わなくても、お客さんは白衣で集まった。

 福嶋社長はこのシステムを往年のアニメ映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』に例える。

“学園祭前日”が繰り返されるファンタジー。ただ、この映画は当時、現実世界から逃避するオタクへのシニカルなメッセージとの見方もされた。

「そもそも“学園祭”が、この世界では“レベルが低い”ことのたとえですよね。でも私は、学園祭のほうが面白いと思っちゃったんです」と福嶋社長。

ディアステージは、アイドルとファンによる“村”を作ってきた感覚だとも。ライブに熱狂するファンが打つヲタ芸は、村祭りの踊りなのだと。

「村も学園祭もネガティブに捕らえられてきましたけど、その良さやパワーを見直すべきだと思ってます」

 実際、村パワーはビジネスでも発揮されている。社長曰く「利益を上げたいなら、CDはメジャーより同人で出す」のだとか。
(明日へ続く)


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