2011年4月14日
アイドルがステージで歌って店員としても働く秋葉原のライブ&バー「ディアステージ」。福嶋麻衣子社長は“学園祭ビジネス”を掲げている。
もともと飲食業のプロがいない中でオープンして、お客さんのほうが「こうしたらいい」とアドバイスをくれたり、料理のサンプルまで作ってきたり。それで店が良くなれば、お客さんも喜び、自ら皿洗いまで手伝ってくれる。
それを見て、福嶋社長は「これはエンターテイメントだな」と思ったそうだ。
お客さんをもてなすだけでなく、お客さんも含めて“自分たちの店”を作っていく。まさに学園祭のように。
ステージでも毎週小さなイベントを組み、そこに向かってアイドルもファンも盛り上がる。ナースコスプレのイベントなら、店側が何も言わなくても、お客さんは白衣で集まった。
福嶋社長はこのシステムを往年のアニメ映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』に例える。
“学園祭前日”が繰り返されるファンタジー。ただ、この映画は当時、現実世界から逃避するオタクへのシニカルなメッセージとの見方もされた。
「そもそも“学園祭”が、この世界では“レベルが低い”ことのたとえですよね。でも私は、学園祭のほうが面白いと思っちゃったんです」と福嶋社長。
ディアステージは、アイドルとファンによる“村”を作ってきた感覚だとも。ライブに熱狂するファンが打つヲタ芸は、村祭りの踊りなのだと。
「村も学園祭もネガティブに捕らえられてきましたけど、その良さやパワーを見直すべきだと思ってます」
実際、村パワーはビジネスでも発揮されている。社長曰く「利益を上げたいなら、CDはメジャーより同人で出す」のだとか。
(明日へ続く)

戻る