2011年4月13日
以前このコラムで“アキバの片隅のアイドルトキワ荘”として紹介させてもらった「ディアステージ」。アイドルの卵たちが店で給仕しながら店内でライブも行い、お客さんとダイレクトに交流する。
連日アイドルファンで賑わうこの店を運営する福嶋麻衣子社長は28歳。
見た目かわいらしい女性だが、経営手腕と先見性は鋭い。その事業展開について業界向け雑誌で語ってもらう取材を、震災翌日にした。
聞けば前日、店内はメチャメチャになり、帰れなくなったアイドルたちが泊まって、当然休業。
それをツィッターで知りながら、常連客たちが救援物資をいっぱい持って「大丈夫?」と駆け付けたそうだ。
今回の取材は交流拠点としての“HOME”に注目する趣旨だったが、福嶋社長は「お客さんにとってディアステージが本当にHOMEってことなんだと思いました」と話していた。
アイドル好きなら、同じ1000円で夕飯を食べるなら、アイドルのライブが付いて給仕もしてもらえるほうがお得。
ディアステージは2007年のオープン当初から好評で、毎日のように来る常連も少なくない。
握手会だとアイドルと話せるのはせいぜい数分だが、カウンターバーの店員と客の立場なら、ライブの感想もじっくり語り合える。
さらに店内が混み合ってくると、常連たちは自ら裏で皿洗いまで手伝い始めたとか。
普通の飲食店なら、そんなことは絶対NG。
でも、ディアステのお客さんは楽しんでやってる。
そこに福嶋社長は“学園祭ビジネス”という形を見出した。
(明日へ続く)

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