2011年4月12日
大震災があった日は都内の仕事場にいた。
ものすごい揺れにCDや本の棚が全部倒れ、床に散乱。パソコンも机から落ちかけるのを慌てて押さえた。
揺れが収まったところで、バッグを抱えて非常階段からビルの外に出ると、同じような人たちが道に溢れていた。
「震源は宮城。震度7!」。
携帯を見て驚愕する声が聞こえる。
だが、その時の自分はまだ“1時間後に取材なのに”と心配していたぐらいで、状況が飲み込めてなかった。
取材場所に向かうにも電車が動いてない。
担当者に連絡しようにも携帯がつながらない。取材はキャンセルさせてもらわざる得ない。
てか、それどころじゃない! と気づく。
結局その日は帰宅できず、仕事場で夜を明かした。
翌日も11時から取材が1本入っていて、これもキャンセルかと思ったら、夜中の23時過ぎに編集者から電話があり「予定通りやります」と。
まあ、タレントでなくスタッフ取材だったので。業界誌「ORICON BiZ」で、以前ここでも触れた秋葉原のライブ&バー「ディアステージ」を運営する福嶋麻衣子社長にインタビューすることになっていたのだ。
今回の取材は“HOME”を切り口とした特集の一環。会いに行けるアイドルAKB48を始めファンとの交流拠点を持つことがブレイク戦略として重要――との切り口。ディアステージではアイドルのライブを見ながら食事ができると同時に、そのアイドルたちが店員として給仕もしてるのが売りで、趣旨に打ってつけだった。
「地震で逃げるときに携帯をなくした」という福嶋社長だが、バタバタの中で取材をキャンセルせずオリコンまで来てくれた。
そして、地震の真っ只中でディアステージの“HOME”性が浮かび上がったエピソードを話してくれた。
(明日へ続く)

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