2011年3月28日
個人的なことで恐縮だが、大規模停電が都心では回避された17日の夜、都内の仕事場にて徹夜で雑誌の校正作業をしていた。
ビルの一室に1人で。
ちなみにテレビは置いてない。
すると、結構大きい揺れの地震が起きた。
半ば慣れてきたとはいえ、震度など情報を知ろうとラジオをつけた。
というより正直、怖かったのだ。
この揺れが大きくなったら、自分は1人で死んでいくのか…と一瞬だが頭をよぎり、無性に人の声が聴きたくなった。
幸い揺れは程なく収まったが、ラジオはつけっ放しにしておいた。TOKYO FMの『SCHOOL OF LOCK!』。
特別編成ということで、パーソナリティのとーやま校長とやしろ教頭が、リスナーと電話を繋いだりしながら、寄せられるメッセージを読み続けていた。
避難所生活をしてるという高校生の「友達の声が聴きたい。でも今はここで頑張る」という電話に、2人が「頑張れ! 俺たちもぜってー本気で応援してるから!!」と応じたり。
0時過ぎからは特別番組として、人気DJのやまだひさしが朝5時までしゃべり続けた。
「眠くなったら寝てください。不安で眠れない人がいたら聴いてください」というスタンス。
リスナーの応援メールを交えながら、「必ず朝は来るから」などとエールを送って。
東京にいても不安な夜。まして、明かりも暖かさもない被災地では、どれだけ心細いことか。そんな夜に、ラジオDJやリスナーからの暖かい言葉は、少なくとも“一人じゃないんだ”と感じさせてくれたはず。
ネットよりもテレビよりも古いラジオというメディアのありがたさ、そして、人の肉声の力は、こんなときにこそ分かる。
(終わり)

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