コンサートに“アレ”は付きもの?(5/5) | Deview-デビュー
2011年3月22日

 80年代半ばに、今のAKB48級の大ブームを起こしたおニャン子クラブで、当初の一番人気だったのが新田恵利。“普通の女の子”が売りだったこのグループの中、歌唱力もド素人級で、和田アキ子に「歌番組で見ていてテレビが壊れたのかと思った」とも言われた。

 そんな彼女が日本武道館を含むソロツアーをやることになった際、「私の歌を誰が聞きにくるんですか?」と言ったら、スタッフに「歌を聞きに来るんじゃないから」とストレートに返されたそうだ。

 ひどい言われようだが、明らかにヘタと分かる新田ちゃんのライブは生歌だった。今は機械の発達もあり、全部口パクのコンサートもある。「歌を聞きに来るんじゃない」なら問題ないとの理屈は成り立つ。まして、その分ダンスで魅せてくれるなら。

 結局そういうコンサートは、ディズニーランドみたいなものだと思う。ミッキーマウスがいたら一緒に写真を撮る。誰も「着ぐるみの中には雇われた人が…」なんて考えない。お約束の楽しさ。それはそれで、一つのエンターテイメント。口パクであらかじめ録った歌を流すほうが、“完成度”は高いわけだし。

 一方、たとえばおニャン子と同じフジテレビ発のアイドルグループであるアイドリング!!!は、ライブで口パクなし。正直ソロパートで“オイオイ”となるメンバーもいる。  ただ、続けて見てると1年前は“オイオイ”だったのが“歌えるようになってきた”と感じられることも。そこでアイドルの成長を見て取れるのは、ファンとして嬉しい。

 あとは好みの問題。相撲もライブも裏がどうなっていようが、おおらかに楽しめれば一番。そもそもライブは、音程を外さず歌ったから感動するものではないし。(終わり)


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