2011年3月17日
もろもろの状況を普通に見れば、大相撲で八百長は昔からあったと考えるのが自然。
となれば、新聞やテレビの担当記者も知っていたはず。先に挙げた都知事の会見でも、本場所を記者席から観戦した際、力士が「早く押せ。何やってるんだ」と対戦相手に言ってるのを記者たちがゲラゲラ笑って見ていたとの発言が。誰も「八百長だ。けしからん!」とは報じなかった。
良い悪いはともかく、記者クラブは相撲協会の身内みたいなもの。プロレス記者がリングでの戦いは真剣勝負という建前で報じるのと同じで、“ムラ”の論理として分かる。
それはそれでいい。でも、今になって「真相究明を」って。自分たちも知ってたのに、“まさかそんなことがっ!”みたいな感じで驚いてみせてるのが、何か笑える。八百長問題の報道自体が、追及という筋書きを演じるだけの八百長になっていて面白い。
これに限らず、大メディアはよく、大真面目に滑稽なことをする。足利事件の再審で菅家利和さんが無罪となり冤罪を晴らした際、新聞でも一応、過去の報道について「警察発表に偏って」などと自省する検証記事が載っていた。その記事のすぐ横に、検察側に一方的に偏った小沢一郎氏の“疑惑”を報じる記事が(結局、検察は起訴できてない)。
ギャグでやってるのかと笑えた。いや、これは笑いごとじゃないのだが。
前置きが長くなってしまった。実は芸能ムラのメディアも、暗黙の了解で見て見ぬフリして報じないことは多い。その一つが“口パク”だ。
(明日へ続く)

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