2011年3月9日
唐突ですが、青春って何でしょう?
渦中にいる中高生が意識するというより、本人には何気ない日々が、傍から見たらまばゆいほど輝いてる…という状態では。今朝も駅の改札をダッシュで駆け抜けていった女子高生たちを見て、そう思いました。
そういう等身大の青春感を体現できる女優としてズバ抜けていたのが、10代の頃の多部未華子だった。
彼女もデビューしてから、主演級映画が立て続けだった。
知らないで観てたら途中まで男の子かと思う『HINOKIO』に始まり、『ルート225』『ゴーヤーちゃんぷるー』『青空のゆくえ』…。
演技というより、隣りに住んでる少女に降りかかった物語を見てるかのような自然体ぶり。
中でも良かったのが『夜のピクニック』だ。
全校生徒が80キロを夜通し歩くという高校の伝統行事に、多部ちゃん演じる主人公が、実は異母兄妹である同じ組の男子に初めて話し掛けようと、自分の中で賭けをして臨む話。
ストーリー的には異母兄の同級生との関係が軸になりつつ、そこが際立つのでなく全体に溶けてる感じで、多部ちゃんが歩きながら友達と交わす会話とか、寝転がって見上げた夜空とか、小さなエピソードが胸に残る青春映画だった。
やはり彼女のナチュラルな女子高生感が生きていた。
そんな多部未華子が2007年になり、初めて連ドラでヒロインに。これがナチュラルとは対極の役だった。
(明日へ続く)
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