東宝シンデレラから25年の幸福(5/5) | Deview-デビュー
2011年2月28日

 今のAKB48主力メンバーもスケジュールは相当ハードだが、80年代アイドルは1人で歌、ドラマ、グラビア…とこなしていた分、過酷だった。

斉藤由貴も朝の暗いうちに家を出て、日付が変わる前に帰れない日々が何ヵ月も続いたそうだ。もともとアイドルを目指してたわけでない分、「1週間か10日に一度ずつ、部屋で"もうイヤだ!"って大泣きすることで発散させてました」。

 当時から彼女は、他のアイドルと一線を画す雰囲気があった。

一つには東宝芸能が俳優系事務所で、ミニスカにピンクのドレス…といった当時のアイドルの仕来たりを、彼女に求めなかったことがある。

そして彼女自身、激流に飲み込まれないために"私は私"という意識が強まったという。

「私がちゃんと私でいて、そこにニーズがあれば、仕事を続けられるんじゃないかと」。

 逆に言えば、自分のままでいてニーズがなくなれば終わりということだが、そうなったとしても「器用じゃないからジタバタはしません」。

 結果的に自分を崩さず、斉藤由貴は結婚後も、子育てしながら主婦役で昼ドラに主演したり。

かつてヒロインを務めた朝ドラの次回作『おひさま』にも出演。

詩作などにも活動を広げて。幸せな芸能人生だと思う。

 インタビュー3日後、27年後の「東宝シンデレラ」取材は妙なタイムトリップ感があったが、グランプリとなった10歳の上白石萌歌ちゃんも25年後、こんなふうに自分の人生を振り返れる女優になってるだろうか。

 あと1コ、インタビューではとても聞けなかったが、斉藤由貴といえば結婚前、尾崎豊との不倫騒動があった。当時ワイドショーで「同志のような関係」と答えていたが。

 ともあれ、現在のダンナさんは「私をテレビで2回しか観たことないと言ってました」とのこと。

伝説のシンガーとの熱い恋(?)を経て、結局は穏やかに一般人と家庭を持つのも、味のある話だ。
(終わり)


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