名作ドラマのオマージュは難しい(5/5) | Deview-デビュー
2011年2月14日

 『美咲ナンバーワン!!』第3話は球技大会の話だった。

落ちこぼれクラス2年Z組の中でも問題児の5人(ドラマのポジション的にはメイン生徒)の1人、星田(大野拓朗)にスポットが当たった。

 バスケの特待生として入学したもののケガで挫折し、Z組に追いやられた彼。球技大会で対戦するA組には現在のバスケ部のエース中津(窪田正孝)がいて、星田は挑発されつつ「今さら勝てるわけない」と出場を拒む。

 で、結局は美咲や仲間の彼を信じる想いにほだされ試合に出て、Z組はA組に勝ってしまうのだ。

これって、どうなんだろう? 自分の過去を乗り越えるため、勇気を振り絞って試合に出る。そして、新たな一歩を踏み出す。それはいいとして、試合に勝てるか?

 星田はバスケをやめて1年以上。球技大会も前日まで何の練習もせず、当日に学校に来て出場。相手の中津はその1年、毎日練習してエースになったはずなのだ。主人公側とはいえ星田が立ち直って良かったというより、中津の1年を無とする展開に"エーッ!?"と思ったのは自分だけだろうか?

 まあ、Z組はチームメイトを信じ、中津は「足を引っ張るな!」と味方を怒鳴る描写もあって、チームワークの差としたかったようだが。

『ROOKIES』劇場版もそうだったけど、相手だって懸命に努力してるはずなのに、そこにまったく触れず、主人公側がスイスイ勝つ展開には違和感を覚える。

負けたけど何かを掴んだ…で良かったのでは。

 そんなこんなで、イマイチ"薄い"感じがある『美咲ナンバーワン!!』。

あまりに金字塔だった『ごくせん』との差を埋めるには、香里奈の美脚だけでは足りない。伝えたいメッセージは分かるけど。
(終わり)


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