2011年1月27日
プロレスの醍醐味の一つは、長く観てるほど分かるストーリー性。
練習生時代から苦楽を共にしたタッグチームが決裂し、一方が団体を移籍。それぞれ活躍を続けて数年後、互いの団体を背負って運命の対決とか、何年にも渡る大河ドラマのような味わいがある。
ももクロは路上ライブから始め、ワゴン車で全国のヤマダ電機を回る過酷なツアーも行った。
マネージャー川上氏は「点でなく線でつながるストーリーが欲しかった。徐々に大きくなる過程を見せられれば」という。
そのストーリーの中間点が、昨年クリスマスイブに感動を呼んだ日本青年館ライブだった。
実はさらに大きなストーリーは、ももクロ誕生以前から続いている。
その原型は、川上氏がかつて手掛けたHarajukuロンチャーズ。
2000年から2003年までBS朝日で放送されたバラエティで、スターダストの新人アイドルが大挙出演した。
その1人だった沢尻エリカを川上氏は解雇まで担当していたが、他も今見るとなかなかの顔ぶれ。
現AKB48の小嶋陽菜、現中野腐女シスターズの浦えりか、現TBSアナの枡田絵理奈、当時は赤川こはると名乗っていたマリエ…。
ただ、彼女らの活躍はスターダストを離れてからのもの。
「うちでは女優以外の道を提示できなかった」と振り返る川上氏。
だからこそ今、アイドルとして成否をかけ、ももクロの売り出しに力が入る。そこはリング以上にドラマ渦巻くプロレスのリアルな裏側と重なる。
ももクロの売りのド派手なフリも、ダンスというよりアクションの領域でプロレスっぽい。
だからメンバーは運動神経がいいかと思いきや、リーダーの百田夏菜子以外はダメらしい。
有安杏果は50m走11秒台で、全力疾走しても「真面目にやれ!」と怒られ、先日4月に脱退と発表した早見あかりはバレーでサーブが入っただけで、味方も敵も拍手して試合が中断するという。
(終わり)

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