AKB48と嵐のTOP10独占の裏(5/5) | Deview-デビュー
2011年1月20日

 クリス・アンダーソンの『FREE』を始め、最近は"無料ビジネス"に関する本がいろいろ出ているが、提唱されてるモデルは音楽業界に置き換えると、おおむねこういう方式になるようだ。

 楽曲をタダで配布するのはもったいないという考え方から抜け出せ。どんどんタダでバラまけ。たくさんの人の耳に触れたほうが、気に入って買ってくれる人も増える――。

 うーん。売る側の大胆な発想転換が必要になりそう。だが実際、これに近い形でブレイクしたアーティストもいる。Perfumeだ。

 前にもここで書かせてもらったが、彼女たちの人気はネットから爆発した。あの独特なテクノダンスを踊る映像が動画サイトに相次ぎアップされ、話題になって。

 肖像権とか著作権とか言い出したら、削除させるべき映像。

今も「削除されました」と出るアーティストは多い。

だが、おそらく当時のPerfumeのスタッフは黙認したのだろう。

楽曲がタダで使われても、認知度が広まるメリットのほうが大きいと。いちいち削除要望を出してたら、今のPerfumeはなかったかも しれない。

 もちろん当時のPerfumeが売れてなかったから取れた戦略という面はある。

でも、"オマケ"なしのシングルCDはダウンロード販売どころか、タダで入手が当然という流れはますます強まるはず。

 我々ユーザーとしてはいい傾向だが、業界が旧態依然ではニッチもサッチもいかない。タダで聴いたうえで"CDが欲しい!"と思わせる楽曲やアーティストの育成が、一番真っ当な方法であるとは思うが。

 そう言えばAKBの過去シングルが3枚、紅白効果でTOP10に返り咲いた。

握手券は当然付いてない。やっぱ曲も良かったと。

そして、いい曲と思えばCDを買ってくれる人はまだまだいるのだろう。
(終わり)


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