2010年12月22日
『野ブタ。をプロデュース』では、3話の文化祭のエピソードが最も印象に残っている。クラスの出し物のおばけ屋敷作りを押しつけられた、いじめられっ子の信子(堀北真希)。彼女を人気者に仕立てようとする修二(亀梨和也)と彰(山下智久)は、これをチャンスと考える。
おばけ屋敷に使うススキを取りに、自転車2人乗りで向かった彰と信子。「こんなことも後になって"楽しかった"と思い出すのかもしれないね」という彰。その夕焼けの2人乗りの映像がとにかく美しかった。
文化祭当日には3人の生徒が現れ、ピンチの信子たちを助けた。実はこの3人は"生霊"という。20年前の卒業生で今は大人になり、それぞれ仕事をしているのだが、たった1日の文化祭の楽しさがずっと忘れられず、魂が当時の姿をまとって現れるのだという。
過ぎ去ってから感じる、青春のきらめき。
『Q10』も同じ3話が文化祭の話だった。2年前の文化祭で恋人と別れたトラウマから前夜祭も出ないつもりでいた平太が、謎めいた同級生の月子に「今は今しかないのにさ」と引き止められ、元カノの出場するミスコンを見送り、苦い思い出とようやく決別する。
5話では「夕焼けもキュートのダサい制服もどこからか聞こえる吹奏楽部の音も、今偶然ここにある何もかも失いたくないと思った」との平太のモノローグが。
場面紹介が長くなってしまったが、『野ブタ』でも『Q10』でも、かけがえのない青春の一瞬が愛おしいほどに描写されている。ただ、『Q10』ではより深い意味も内包されていて。
(明日へ続く)

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