『Q10』で描かれたかけがえのないもの(1/5) | Deview-デビュー
2010年12月17日

「この地球上に自分より大切に思える人なんているんだろうか?」「ここは生きてゆける場所ですか?」「どうでもいい、なんて言うな!!」…。

先日最終回を迎えたドラマ『Q10』(日テレ系)各話のサブタイトルだ。

 個人的に今クールの連ドラでNo.1。というより、ここ数年で有数の忘れられない作品になりそうだ。

佐藤健+前田敦子(AKB48)という人気者共演もさることながら、木皿泉脚本が生んだ世界の泣けること。大きな感動というより、胸にジワッと熱いものがこみ上げるシーンが毎回いくつかあって。

 木皿泉は小林聡美主演の『すいか』で注目され、以後『野ブタ。をプロデュース』『セクシーボイスアンドロボ』の脚本を手掛けている。

すべて日テレ。というか、すべて河野英裕プロデューサー。

日常生活の中にある喜びや優しさを見つめ直す作風で、寡作にも関わらずファンは多い。

 実は"木皿泉"というのは、和泉務と妻鹿年季子の夫婦合作のペンネーム。その素顔はあまり知られてなかったが、10月に『AERA』の「現代の肖像」で取り上げられ、ちょっとした波紋がドラマ好きの間に広まった。

 まず、この夫婦は58歳と53歳で、『野ブタ。』で青春の光景を鮮やかに切り取ったイメージと反し、意外と高齢だった。

そして、和泉は幼少時にポリオを発病して左脚が麻痺。

6年前には脳出血で倒れ、左半身が動かず車いす生活に。

妻鹿のほうは2年前、『セクロボ』執筆中にうつ病を発症したという。
(明日へ続く)


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