2010年10月1日
CDの総生産額はピークの98年に5879億円に達したが、そこから右肩下がりで、昨年は2460億円(日本レコード協会のデータより)。4割にまで落ち込んでいる。
加えて、安く購入できるネット通販やダウンロード販売が増え、CD店の経営は苦しい。
そんな中でHMV渋谷店が閉店した。
センター街の一番奥に開店したのが90年。
もともと渋谷は輸入盤屋のメッカで、クアトロやオンエアなどイキのいいバンドが出るライブハウスもあった。
そんなエリアに登場した広々とした外資系CDショップ。
ブレイク前の新鋭アーティストのCDに店員が推薦文を付けてプッシュ。陳列も売れ筋を前面に置く他店より最先端を感じさせ、音楽好きが行けばワクワクする場所だった。
あの感覚はパソコンやケータイでいくらダウンロードしても味わえない…てなことをケータイサイトで書いていいのか?
ともあれ、そんなHMV渋谷を発信源に起こったのが、90年代初頭の"渋谷系"ブーム。
解散後に火がついたフリッパーズ・ギター(小沢健二&小山田圭吾=コーネリアス)、ピチカート・ファイブ、オリジナル・ラヴ、カヒミ・カリィ…。
洋楽の影響が強いオシャレなイメージのアーティストたちのCDを、ベレー帽、アニエスbといった女性層が買っていた時代。
だが以前、この渋谷系ブームを振り返る特集を雑誌で企画したところ、奇妙なリアクションが相次いだ。
(明日へ続く)

戻る