グランプリ決定へ試されたこと(6/6) | Deview-デビュー
2009年9月30日

 連ドラで主役を務めると早朝から深夜まで撮影が入り、睡眠時間も満足に取れない。

深田恭子が『富豪刑事』を撮っていた頃も相当なハードスケジュールで、マネージャーが倒れた。

だが、本人は最後まで撮影を滞らせることはなかった。

 そういえば自分も、石原さとみのグラビア撮影で、メイク直し中に彼女がふと眠ってしまうのを見たことがある。

その時も連ドラ撮影中。

疲れてるんだろうな…と思ったが、彼女が倒れたという話も聞いたことがない。

 華やかさの裏で、強い精神力が必要な女優業。

その部分での資質を見るための、今回のTSCの強行日程。

ウォーキングレッスンで厳しい言葉を浴びせ続けた先生も「時間がないから覚えられない? 芸能界にはそういう理不尽なことがいっぱいあるんです」と諭していた。

今日もらった台本を明日までに覚えなきゃいけない。真冬に水着で撮影しないといけない。



「そういう世界でやっていく覚悟はある?」



 このレッスンの後、ファイナリストたちは一様に落ち込んだそうだ。

グランプリの安田聖愛ちゃんは「心が折れそうになりました。でも、それじゃいけないと思って」と、自主的に朝練をしたという。

 そして、決選大会本番。

鬼門のウォーキングは、合宿とあまり変わらなかった人もいれば、数日で見違えるようになった人もいたが、聖愛ちゃんは笑顔を見せながら、ランウェイをさっそうと闊歩していた。
(終わり)


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