グランプリ決定へ試されたこと(4/6) | Deview-デビュー
2009年9月28日

 ホリプロTSCのファイナリストの合宿初日、ウォーキングレッスンの最後は修羅場と化した。

1人ずつターンとポージングを入れながら歩き、先生から次々と厳しい言葉が投げ付けられて。

「本当に今までの話を聴いてないんだね」

「酔っぱらいにしか見えない」

「赤ちゃんじゃないんだから、しっかり歩け!」

 グランプリを獲った安田聖愛ちゃんもこの時点では

「そのポーズは何なの?」
「目線はどうするように言った?」
「自分を見せる気持ちはあった? どこに? 何も感じなかったけど」

などとボロクソだった。

 全国から選りすぐられたとはいえ、この日初めてウォーキングをする素人の中高生。

要求が厳し過ぎる気もしたが、先生は最後に全員に「こんな低レベルでビックリした。技術じゃなくて心が。みんなグランプリを獲って人生を変えてやろうという気持ちがないんだと思う」とまで言う。

 今ドキの女子中高生の10人。

親にもここまで怒られたことはなかっただろう。中には涙ぐむ子もいた。

 後に実行委員長の竹中久美子さんは、この時のことを「途中で少しダレてるように感じて、先生に『厳しく行ってください』とは言ったんですけど、あそこまでやるとは」と笑っていた。

だが、この厳しさは委員長も先生も確信犯だったと思う。

と言うのは…。
(明日へ続く)


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