グランプリ決定へ試されたこと(3/6) | Deview-デビュー
2009年9月27日

 書類審査、地方予選を通過してホリプロTSCの決選大会に駒を進めた10人による合宿の初日、ウォーキングレッスン。

2時間半ひと通り基本を練習した後、この日の締めとして、1人ずつ本番のランウェイを想定して歩くことに。

 1人目のファイナリストが、ターンとポージングを入れて、レッスン場を2往復。先生が「ひねるターンを入れるように言ったでしょう? どこで入れてた?」と問い詰める。

「……忘れてました」

「話を聴いてないの? よくそんなのでやってられるね。もう1回。ダラダラ戻るな!」

場の空気が凍りつく。強ばった表情で、もう一度2往復する彼女。

「ひねるターンはいつ出た?」

「……分からなくなりました」

「何で同じことを二度を繰り返すの? できるまで何度でもやるよ。もう1回!」

 3回目。

「ひねるターンは?」

「…………」

「"できません"で通用すると思ってるの? 今までの練習時間は何してたの? バカ!」

 唇を噛みしめて4回目。

「ひねるターン、やればできるじゃん。やろうとする気持ちがなかっただけ!」

 他にも
「猫背でゴリラにしか見えない」

「右手が振れてない」

「口角を上げる」

といくつも注意を受けつつ、ひとまず1人目は終わった。

だが、彼女だけが集中砲火を受けたわけではなかった。
(明日へ続く)


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