イケメンゆえの演技の壁(2/5) | Deview-デビュー
2010年8月30日

 完璧にカッコイイ速水もこみちは、役者としては苦戦が続いた。

2005年放送の『ごくせん』第2シリーズの生徒役で人気が出た後、連ドラ出演を続けて翌年、満を持して初主演した『レガッタ』が時には4%台、平均5.4%という低視聴率にあえぎ9回で打ち切り。

 でも、これは彼の責任ではない。大学ボート部を舞台にした青春ストーリーで、当時からテレ朝は刑事モノや渋いドラマは得意でも、こういう若者向けは冴えない。

フジ月9の名作の出来そこないのオマージュのような作品になっていた。ご丁寧に松田翔太が相武紗季を後ろから抱きしめて「俺じゃダメか?」と言ったり。『あすなろ白書』のキムタクの名セリフをパクるって。10年以上前の作品で、知らない視聴者もいたとはいえ。

 続いて2007年、そのフジ月9で『東京タワー』に主演。

ヒロインは最終的に香椎由宇が抜擢されたが、決まるまで難航した。よりランクの高い女優にオファーしては断られ続けたという話。

月9でリリーフランキーのベストセラー小説が原作。オイシイと思えたが、「だって、もこみちさん主演だと数字が取れないでしょ?」と、当時ある事務所のスタッフが話していた。

 怖いな芸能界。

1回コケたら、もうそんな言われ方。だが実際『東京タワー』は話題性の高さに反し、初回から月9では当時19年ぶりの15%割れ。平均も14.9%とこの枠としては振るわず。

危うし、もこみち。

そこで起死回生になったのが…。
(明日へ続く)


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