2010年4月26日
外国人が自然な日本語を話すのは難しい。
自分が中国語を中国人のように話そうとしたら…と考えれば当たり前のこと。日本で30年に渡り活動しているアグネス・チャンでも、いまだにおかしな発音だし。
歌手やタレントなら、それが個性にもなり得るが、役者は台詞がいちいち言葉として不自然に聞こえたら務まらない。
そういう意味で、忽那汐里は抜群のヴィジュアルの一方、ハンデを抱えて女優業をスタートしたのだ。
日本人だから気づかれにくいが。
『半月』の現場では「ちょっとでも作品から頭を離したくなくて」と、待ち時間もずっと台本を読んでたという。
「女優は個性も大事だけど、まず作品の一部としての役割を果たさないと」「お芝居って"ウソ"だから、ウソ自体にはウソがないように、その場で感じ取ったものを出したい」といった発言も。
女優への高い意欲はうかがえる。
だから、インタビューで話してると時に不安定な日本語も、『半月』の中では気にならない。演技自体センスあると思う。良くならない病いを抱える不安や孤独、その中で見つけた恋の喜び…何度も胸を打たれた。
現状では役幅が狭いのは否めないが、言葉の壁を越えて『ポッキー』的な彼女を演技でも見られたら、女優として本来のポテンシャルが全開になるはず。いっそ"母国語"の英語でハリウッドを目指すとか?
(終わり)

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