失われたアイドル歌唱法(1/5) | Deview-デビュー
2010年3月29日

 仲里依紗主演の映画『時をかける少女』が公開されている。筒井康隆の原作小説の発表が1967年。原田知世主演の1983年の映画を始め、たびたび映像化された名作だ。

 今回はリメイクというより、原作のヒロイン芳山和子の娘・あかりのストーリーで、いわば続編。

交通事故で昏睡状態に陥った母の願いを叶えるため、過去にタイムリープする。

 オッサン世代には、原田の『時かけ』に特別な思い入れを抱く者が多い。あの頃の彼女がどんな存在だったか、当時を知らない若い人に説明するのは難しいが。

 薬師丸ひろ子を輩出した角川映画の新人女優オーディションの特別賞から芸能界入り。

『時かけ』が映画主演デビュー作。受験で休業していた薬師丸の復帰作『探偵物語』と同時上映で、当初はどちらかといえば添え物的な扱いだった。それが伝説的名作となったのは、原田の魅力に負うところが大きい。

 ショートカットの中性的な雰囲気。

隣りのクラスにいそうで、かつ、素がまったく見えない神秘性。

同世代の男子だけでなく、文化人系にも支持され、他のどのアイドルや女優とも在り方が違う特別な少女だった…とか書いといてナンですが、自分も知世版『時かけ』をリアルタイムでは観てません。

 ただ、彼女が歌った同名主題歌はよく耳にしていて。

そういえば、ああいう歌は最近なくなったなと。
(明日へ続く)


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