2010年3月12日
菅野美穂はストイックな役作りで知られる。
『幸福の王子』の何話かで拒食症になる展開になったときは、その回の撮影前の2週間は実際に食事をほとんど取らなかったり。
『私たちの教科書』で弁護士を演じたときは、タバコを吸うシーンがあって。
彼女自身は非喫煙者。
今までそういうシーンは本物でないタバコで煙を吐き出していたが、ハイビジョン時代になり、ニセモノの煙はバレてしまうと本物のタバコを吸う練習を。
「頭がクラクラして天井が回った」とのことだった。
そして『キイナ』で演じた捜査官は本を速読する能力がある役だったため、自らも速読を練習して「8倍速く読めるようになった」という。
プロデューサーからは「それは必要ない」と言われたそうだが。
実際、速読するシーンは毎回数10秒。
しかも本をパラパラめくるだけで、速読を本当にしてるかどうかは関係ない。でも、そこまでやることで、役作りの根っこがより強固になったことは間違いない。
大きな労力をかけてほんの少し差が出るぐらいだとしても、その"無駄"の積み重ねが菅野美穂の演技力の糧となってる気がする。
ところで今のクール、『曲げられない女』とよく比較されるのが『まっすぐな男』で…。
(明日へ続く)
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