役の過ごした時間を表現できる女優(4/5) | Deview-デビュー
2010年3月12日

 菅野美穂はストイックな役作りで知られる。

『幸福の王子』の何話かで拒食症になる展開になったときは、その回の撮影前の2週間は実際に食事をほとんど取らなかったり。

 『私たちの教科書』で弁護士を演じたときは、タバコを吸うシーンがあって。

彼女自身は非喫煙者。

今までそういうシーンは本物でないタバコで煙を吐き出していたが、ハイビジョン時代になり、ニセモノの煙はバレてしまうと本物のタバコを吸う練習を。

「頭がクラクラして天井が回った」とのことだった。

 そして『キイナ』で演じた捜査官は本を速読する能力がある役だったため、自らも速読を練習して「8倍速く読めるようになった」という。

プロデューサーからは「それは必要ない」と言われたそうだが。

 実際、速読するシーンは毎回数10秒。

しかも本をパラパラめくるだけで、速読を本当にしてるかどうかは関係ない。でも、そこまでやることで、役作りの根っこがより強固になったことは間違いない。

 大きな労力をかけてほんの少し差が出るぐらいだとしても、その"無駄"の積み重ねが菅野美穂の演技力の糧となってる気がする。

 ところで今のクール、『曲げられない女』とよく比較されるのが『まっすぐな男』で…。
(明日へ続く)


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