役の過ごした時間を表現できる女優(1/5) | Deview-デビュー
2010年3月12日

 私事で恐縮ですが、長年愛用してきたコンパクトカメラが壊れました。

シャッターが押せない。

買ったのは15年以上前でデジカメではなく、もはや珍しいフィルム用。

 高級品でも何でもないオートフォーカス。ただ、手にしたときから使い心地が良く、旅先などで写真を撮ってきた。

数年前にデジカメも買ったが、素人スナップなりにフィルムの質感が好きで、相変わらずこっちを使うことが多かった。そのカメラが壊れた。

 量販店の修理コーナーに持ってくと、同型のものはもう生産してなくて、直すには1万円以上かかるとのこと。

新品のデジカメを買ったほうが安上がり。

だが、自分には旅の相棒のようなカメラだけに、あえて修理を依頼した。

なのに店員は「最近のデジカメですと、お値段的にも…」とパンフレットを出してきた。カッチーン。

「そんなこと分かってんだよ! それでもこのカメラを使いたいんだよ!」と、『曲げられない女』の菅野美穂のように叫びたくなった。

叫ばなかったけど。

 カメラ修理は小さなことだが、"誰にも理解されなくても自分が大切にしてることは譲れない!"との菅野の叫びは、毎回胸に来る。

そこに彼女の女優としての凄味もあって。(明日へ続く)


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