元℃-uteの岡井千聖が、お台場・青海地区で開催中のアイドルの祭典『TOKYO IDOL FESTIVAL 2018』(TIF2018)にTIF限定ユニット「Cattivo!」としてHOT STAGE（Zepp DiverCity Tokyo）に出演。今年は昨年解散した人気ユニット「Buono!（ボーノ）」の楽曲をカバーするユニット「Cattivo!（カッティーボ）」として登場し、℃-uteを愛する多くのアイドル達との共演を楽しんだ。

　昨年開催の『TIF2017』で「℃-ute大好きステージ」に出演。℃-uteに憧れたアイドル達と一緒にステージに立ち、アイドルとファンの夢を叶えた岡井。今年は、ハロー！プロジェクトの人気ユニット「Buono!」に入りたかった、という自身の夢を実現するべく、「Buono!（イタリア語で『美味しい』）」ならぬ「Cattivo!（マズい！）」を結成して、Zepp DiverCity Tokyoのステージに臨んだ。

　Buono!はBerryz工房の嗣永桃子と夏焼雅、℃-uteの鈴木愛理で結成された3人組ユニット。2017年5月22日に横浜アリーナで行ったラストライブで活動を終了したが、ロックテイストの楽曲と高い歌唱力によるパフォーマンスで、今も根強い人気を持つ。岡井はハロー！プロジェクトの後輩、浜浦彩乃(こぶしファクトリー)と浅倉樹々(つばきファクトリー)を「Cattivo!」に引き込み、Buono!の再現を目指したのだ。

　ハードなギターが印象的なイントロが鳴り響くと、会場のファンは即座に「オイ！オイ！」と呼応、ファーストナンバーは『MY BOY』だ。嗣永のパートを岡井、夏焼のパートを浅倉、そして鈴木のパートを浜浦がそれぞれ歌唱。パワフルなボーカルとステージングは本家にも負けていない。3人で「私たち、Cattivo!です」と名乗ると、岡井は「私たちはBuono!を再現させていただいているんですが…再現までに至らないかな、ということで、“不味い”という意味のCattivo!で組ませていただきました」と由来を説明。

　しかし「でも、思ってたよりも“おいしい”2人が組んでくれたなって思って」という岡井。「もっと…『誰』とか言わないけど、違う子が来るかなって（笑）。結構人気メンバーじゃん、2人！　反対にこっちが申し訳ない」と早速ぶっちゃける。2人ともイメージカラーがピンクだと確認すると「やっぱピンクじゃん！　ピンクは大体人気だから。私的には満足っていう感じでやらせていただいてます」と笑顔。

　「Buono!はスゴイ3人だったから…。でも私たちも負けないぐらい練習してきたから！　Buono!の3人が集まることは残念ながらないので…（ファン：エエーッ！）…桃ちゃん（嗣永）次第だと思うんですけど。Buono!を思い出しながら…いや、思い出さないでほしいな。Cattivo!として応援していただけると嬉しいです」と自虐を交えて笑わせながら1stアルバム収録の『泣き虫少年』に突入。そして浜浦がソロで歌い出しを担当する『初恋サイダー』では、自然とクラップが発生。サビ前に気持ちがアガって行くハモリも短い準備期間のなかで見事に再現して見せた。

　MCでは「この衣装見覚えある人ー？」と岡井。3人がこの日着用したのは、2015年に行われたハロー！プロジェクトのカウントダウンコンサートで実際にBuono!が着た衣装だという。ハロプロ公式のカバーユニットだから実現した、ファンには嬉しいサービス。しかし岡井は「実は私、文句があるんです！」と不満げだ。「私は…桃ちゃんなんですね、衣装。イヤです！　どうやったって雅ちゃんの衣装が着たかった〜」という暴言に、後輩の浜浦と浅倉は「なんてこと言うんですかー！」と慌てる。岡井は相談もなく、身長で割り当てられたことに納得がいかないようだ。「はまちゃん（浜浦）は（背が高いから愛理で）仕方ないと思うの。雅ちゃん譲ってほしかったわぁ…」と恨めしそうな顔で浅倉を見て「身長そんなに変わんないよ！　154？　私150.2！」と治まらない。

　そこで浜浦は「私だって嗣永さんの衣装が着たかったですよ。歌割も嗣永さんのパートが良かったなぁ。岡井さん、嗣永さんのパート歌ってるじゃないですか。なんで小指立てないんですか？」と嗣永の特徴をコピーしていないことを指摘し、ハロヲタの顔をのぞかせる。岡井は「（浜浦は）桃ちゃんのこと好きじゃん？　私、桃ちゃんより愛理が良かった〜」と本音をぶちまけ、会場のファンに「皆さん、ネットに書いたりしないでね、桃ちゃんチェックしてる場合あるからね」と笑わせた。

　一方の浅倉は「私、Buono!さんがきっかけでアイドルを目指したんです」と告白。「アニメ（『しゅごキャラ!』）をずっと観てて、発売記念イベントも行きました」と明かすと、「ガチじゃん！？　ガチヲタ来ちゃってんじゃん！」岡井。そして「2人のガチヲタとやるCattivo!ですけども…ラストスパートです」と可愛らしい『Kiss!Kiss!Kiss!』から、ラストの『恋愛◆ライダー』（◆はハートマーク）まで一気に駆け抜けた。パフォーマンスを終えた岡井は「皆さんにここで発表があります…Cattivo!は今日で解散します！」と突然“大切なお知らせ”を告げ、「ありがとうございました〜」とさっさと帰ってしまう。残された浜浦と浅倉は「勝手ですねぇ…」と呆気に取られていた。

　しかし、ステージはまだまだ続く。後半戦は℃-uteが大好きなTIF出場アイドルが大集合する「℃-ute大好きステージ」に突入。「岡井さーん！」と声を上げながら、元ハロプロの後輩であるアップアップガールズ（仮）の面々が岡井を取り囲む。「アップアップの圧が強すぎて、他のアイドルがかわいそう！」と迷惑そうなふりをしながら嬉しそうな岡井。「私ピンク！　ピンク！」とイメージカラーをアピールする古川小夏も「異例のピンク」とバッサリ斬り捨てて笑わせる仲の良さが楽しい。

　まず一組目は岡井も「1年ぶり」という『大きな愛でもてなして』。参加したアイドルの完コピぶりは、その℃-ute愛が一夜漬けではなく熟成されたものであることが分かる。披露を終えるとQ-pitchの菅谷あかねは「私、小学校のときから岡井さんのファンだったんですよ。さいたまスーパーアリーナの解散コンサートも行かせていただいて。まさか1年後に自分がアイドルになって、今、岡井さんとおんなじステージに立ってるなんて思わなかったので…ありがとうございます！」と感激に声を震わせながら告白。「誰かに言わされてない？」と照れた岡井だが、青春を懸けてきた℃-uteに対する愛を受け止め、嬉しそうだ。

　2曲目はメンバー交替、さらに大勢のアイドル達が集まる。「すごい盛り上がる曲で、すごい大好きな曲」と『世界一HAPPPYな女の子』をパフォーマンス。曲の終盤には1曲目に登場したアイドルも大集合。総勢25名で盛大に盛り上げた。岡井は「こんだけ大勢の℃-ute大好きアイドルがいてくれて嬉しい！　これから何年経っても℃-uteを好きでいてくれる人がいたら嬉しいし、解散してからファンになったという人もたくさんいるので。またいつか℃-uteでいつか踊れる日が来たらいいなぁ…ってわかんないですけど、誰にもまだなんにも約束してないんですけど、私が勝手に思っているだけなんでね」と、今後の「℃-ute大好きステージ」の継続をにおわせた。優れた楽曲とパフォーマンスが次世代のアイドルたちに受け継がれていく。『TOKYO IDOL FESTIVAL』ではいつまでも「℃-ute大好きステージ」が続いてほしいと思わせてくれた。

『TOKYO IDOL FESTIVAL 2018』は8月5日（日）まで、お台場・青海周辺エリアにて開催。